市場撤退の背景
スペクトラムブランズホールディングス (NYSE: SPB) にとって中国は、レイオバック® バッテリーの製造に求めていた低コストの製造環境ではなくなっていました。
というのも、2004年スペクトラムは中国中部の揚子江デルタ地域にある浙江省寧海市に100% 所有の施設を取得し、Rayovac ®および Varta ®アルカリ電池を製造していましたが、2000 年代後半になると、中国での製造コストの高さと北米への輸送コストが相まって、コストが法外であることが判明したからです。
そこで、世界的な消費財メーカーである同社は、市場からの撤退戦略が必要であることを認識していましたが、撤退にかかるコストは中国での事業継続と同じくらい維持不可能という状況でした。
そんな中、同社は寧波の工場を閉鎖し、製造拠点を米国に戻すことを決定。しかし、閉鎖の過程で、スペクトラムの経営陣は、中国で会社を設立するよりも閉鎖する方がはるかに複雑ということが判明したのでした。
プロジェクト開始
スペクトラムブランズは、市場からの撤退戦略の策定をTractusに委託しました。最初のステップは、スペクトラムが中国で土地を所有し、製造施設を建設、使用し、運営するために必要な 20 種類以上の承認と許可を所有しているかどうかを確認するための企業秘書監査でした。これらの文書がなければ、同社は寧海 EDZ の不動産資産を処分できません。
監査により、いくつかの許可とライセンスが不足していることが判明したため、同社は一部を再申請し、その他のコピーを要求する必要がありました。
次に、Tractusは現地の不動産市場に関するベンチマーク調査を実施。割引キャッシュフロー、販売比較、市場アプローチなどの方法を組み合わせて施設の評価を行いました。
「よくあることですが、プロジェクトは時間の経過とともに複雑さと範囲が拡大しました」と、スペクトラム ブランズの副社長兼財務担当のジョン ビーティー氏は語ります。
この場合、EDZ は土地をどの民間購入者よりも高く評価したため、事業拡大中の産業企業を誘致して満足のいく売却を実現するのはほぼ不可能な状態でした。
困難を解決した戦略
スペクトラムの不動産および施設資産をより節税効果の高い方法で処分するため、Tractusは株式取引として売却を構成しました。
これにより、同社は資産だけでなく法人も処分することができ、時間と費用のかかる清算プロセスを 1 つの取引に統合することができました。中国での多くの不動産処分でよくあることですが、プロセス全体を通じて障害が発生しましたが、Tractusはスペクトラムブランズの満足のいく取引を完了することにこだわったのです。
Beattie氏からは「長いプロセスを通じて、Tractusは継続的な課題に対応するために粘り強さ、柔軟性、そして繊細なスキルを発揮しました」「彼らのリソースがなければ、このプロジェクトは決して成功しなかったと断言できます」と評価をいただきました。
サービスの概要
Tractusは、オフショア株式取引を通じて、30,000m2の施設、50,000m2の土地、およびその法人の処分においてクライアントをサポートしました。サービスには以下の通りとなっております。
・中国で土地を所有し施設を運営するために必要な20種類以上の承認と許可を保有していることを確認するための企業秘書監査
・地域不動産市場のベンチマーク調査
・割引キャッシュフロー、販売比較、市場アプローチを使用した施設の評価
・潜在的な産業バイヤーの特定とアプローチ
・不動産資産の税務上の効果的な処分を確実にするためのオフショア株式取引の構築